BGM入りです。 music by Sora Aonami  

おじさんと少年

ある夢が教えてくれたこと


おじさんと少年

*この話しは私の友人に起こった出来事をもとに作った架空のお話しです。

ある日のこと。。。

もうすぐ50才になろうかという1人の男性が、市立の大きな図書館に行ったときの

ことです。本を何冊か借りようとカウンターで並んで待っているときでした。ふと見る

と、その男性の前にいかにも利口そうなきりっとした顔立ちの12才くらいの少年が

いることに気がつきました。彼もまた順番を待っていましたがようやく少年の番にな

り、彼はカウンターに借りたい本を数冊差し出しました。なにげなく、男性がそれら

を見るとすべての本が映画に関するもので、子供向けというよりは大人でも読めそ

うなものばかりだったのです。男性は少年に尋ねました。

<へぇ〜。ボク、映画が好きか?>

<うん。将来、映画俳優になりたいんだ!>

<そうか!。。。あのな、夢っていうのはな、ずーっと思い続けていると絶対かなうもんなんだよ。たとえ、どんなことがあっても、夢はあきらめちゃいけないよ。どんな時もその夢を持ち続けるんだ。持ち続ければ必ずかなうんだからね!>

<へぇ〜!そうなの!で、おじさんの夢はかなったの?>

<え?おれか?いやぁ。。。>

<おじさんは、夢をかなえられなかったんだね。>

<いや。。。面目ない。。>

<はははは。。。>

男性は驚きました。こんな年齢で、すでに自分の夢をはっきり持っているなんて!

それに、利口そうなこの子のきりっとした顔立ちなら将来立派な俳優になることも

ありうるなぁ。。。と。

* * *

そして、その後30年近くもの月日が経ったある日のことです。あるテレビ局で、<

芸能人のなつかしの人を探せ>という番組をやっていました。今日の芸能人は世

界的に有名な日本人映画俳優で、彼が少年の日に図書館で会った男の人を探し

たいというものでした。

そして、番組も終わりに近づこうかというころ、1人の老人が杖をつきながらスタジ

オに招かれ入ってきました。俳優は、その老人に向かい合うとこう言いました。

<わたしは、少年の頃、図書館で本を借りようとしていた時にあなたにお会いした

者です。あれからわたしは、くじけそうになった時も、あなたのあの言葉を思い出し

がんばってきました。夢はけっしてあきらめちゃいけないって。。。そして、あなたの

おかげで今の自分があるのです。ぜひとも、お会いしてお礼を言いたかった。。>

そう言うと、俳優は涙をこらえて下を向きました。でも、残念なことにその老人は、

彼に会ったこともそして、そんなことを言ったことも忘れていたのです。それから、

無事番組が終了すると、楽屋裏で俳優はひとつの厚みのある封筒を老人に差し

出しました。身に覚えがない老人は受け取るのをこばんでいましたが、その俳優が

どうしても受け取って欲しい。これは、自分の気持ちだからと言い張るのに負け

て、そっとその封筒を手に取り、こう言いました。

<そうかい。そんなに言うならありがたくいただくよ。あんたの気持ちだからね。ありがとう。>

そう言うと、老人はそこからゆっくりと去っていきました。

* * *

テレビ局の前でタクシーに乗った老人が、この封筒の中身を見るとそこには100

万円近くもの紙幣が入っていました。彼は、ふと何を思ったかタクシーの運転手さ

んに

<あそこの角を曲がったところにある建物の前で止めておくれ。>

と告げました。老人が入っていったところは、小さな孤児院でした。。。彼は、受付

の人に会うなり<あー、よかったらこれ使ってください。。。>

というと封筒を渡し、さっさと出ていこうとしたのです。受付の人は、

<あっ。ちょ、ちょっと。。。>と呼びとめようとしましたが、すでに彼は待たせてあっ

たタクシーに乗り込み走り去ってしまったあとでした。その後、孤児院では大騒ぎと

なったのは言うまでもありません。新聞社にも連絡して日本全国で報道されること

になりました。<善意の老人、今どこに?>と・・

* * *

その頃。。。老人は、年老いた愛犬といっしょに眺めのいい縁側に座りのんびり新

聞を眺めていました。。。幸せな老人と犬には、いつまでもあたたかな春の陽が降

り注いでいるのでした。。。。

ページのトップへ

ある夢が教えてくれたこと

私は、子供の頃からとても自分の容姿を気にする方でした。髪型はちゃんとなって

いるか?洋服は人よりも素敵か?身のこなしはどうか?。。。こういったことをまっ

たく気にしない人には、とてもこっけいなことに見えるでしょうね。。。。

小学校の遠足の前の日には、2時間くらいかけてすべての洋服を取りだし、とっか

えひっかえ鏡の前で着てみる。髪型を変えてみる。そんなことで、本番の遠足には

ものすごい期待をかけ全エネルギーを使い果たして、自分よりも素敵な友達をまざ

まざと見ては、結局落胆し帰ってくる。。。こんなことをやっていたのです。それは、

ずっと私の人生の中で繰り返し続きました。頭の中では、こんなことは小さなことな

のだとわかっているのですが、すっかりそこから抜け出ることができないのです。

そして、つい最近のことです。ある夢を何度も繰り返して見ました。それは、みんな

といっしょに出かけなければいけない時に、クローゼットの中のたくさんの洋服の

中からいったいどれを着ていったらよいか?髪型はどうすべきか?と迫る時間の

中で一生懸命悩んで悩んでとても苦しい想いをするというものです。そして私は、

いつまでたっても<まぁ、いいや!>と洋服選びもそこそこにしてサッと出かけるこ

とができないのです。みんなは、やきもきして待っているし、自分は責任をひしひし

と感じる。でも、まだ決まっていないからいけない。。。そして、しまいにはいつも準

備が整っていない状態でついていけずに後悔するということになるのです。これ

は、夢なのですが寝ていてもいつもとても辛い想いをしていることに気がつきまし

た。

*    *    *

こんな夢を3回ほど見たあとで、なんとなくこれに意味があるような気がしました。

その頃、フィンドホーンでフラワーエッセンスを作っていらっしゃるマリオン・リーさん

の<花の贈り物>という本を読んでいたのですがこんな内容が書かれていまし

た。それは、ある花の精がテレパシーで彼女に話したことなのですが・・・
(下記の文章はその通りではありません)

--------------------------------------------------------
自分をよく見せようとして
着飾って歩いている人間達は、
私達から見るととてもこっけいに見えます。
--------------------------------------------------------

そして、私はやっと少し気がつきました。本当に心が輝いている人は、どんなもの

を着ていても関係がない。そのままで輝いている。人に自分をよく見せようとする

時や異性にアピールするために表面を飾り立てる時、それは、本当の自分のまま

では<輝いていないと思っている>から。そのままの自分では<足りない>と感じ

ているから。。。

花達は、生まれたままの姿で十分それぞれ美しい。石ころはそのままでも、それぞ

れ美しい。あらゆる動物は、ありのままで愛らしい。私達人間もこの宇宙の同じ創

造物のひとつであるなら、神から見れば、そのままで美しいのではないだろう

か。。。。

飾る必要なんてない。。。自分が着心地がよくて清潔で、見る人にも不快感を与え

ないそんなものを身につけているだけでいいんだ。。そんなことを考えた瞬間に、

気持ちがすーっと楽になりました。

それ以来、不思議なことにあの苦しい夢はぱったりと見なくなったのです。 

*   *   *

どんな花も、そのままで最高に美しいように私達だって、どんな人もそのままで最

高に美しいと思います。

あなたも、そのままですばらしいのです。愛らしいのです。素敵なのです。どうか、

そのままのあなたの美しさ、心の美しさを大切になさってください。。。。。

もくじページへ

*

ヒーリングルームのトップへメープルフォレストへ

*